電波に乗せて。

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――翌日。 あたしはまた、葉月に相談と言う名の愚痴を溢した。 「えっ、会ったことあるの?」 あたしは何度も頷く。 「会ったことある、って……。 分かるわけないじゃんね! 今まであたしがどれだけの人と、関わり合ったと思ってんの!?」 疑問が、時間が経つにつれ、怒りに変わっていく。 「まぁまぁ。 もう降参しちゃえば? そんなに知りたいならさ」 さっぱりとした簡素な答え。 あたしも一瞬、その方法は頭にあった。 「……でも、“見つけて”って言われたんだよね。 だから、あたしが見つけてあげたいなぁ、って」 なんて言うと、何やら意味深ににやける葉月。 「そぉ? なら、頑張ればー?」 「ちょ、なにその笑顔! 何が言いたいのよ!」 「いーえっ、別に?」 なんか敗北感。 あたし、今変なこと言ったっけ? ――俺を見つけて―― ……やっぱり、あたしがこの手で見つけてあげたい。
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