107人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休み。
いつも通り、葉月と何やかんや言ってると、携帯が机の上、大きく振動する。
「うおっ」
「あんたさぁ、その色気のなさ、少しは直しなよ……」
「いーの、諦めてることだから。
……もしもーし」
考え無しに出ると、『亜弓?』なんて、軽はずみな声が電話口から通る。
「えっ、郡司!?」
つい大声をあげてしまった。
目の前にいる葉月を、そろり、と忍び足で見ると、にんまりとしていた。
いつかの繰り返しだ、これじゃ。
「な、なに?どうしたの?」
『んー?
何か声聞きたくなって』
軽々しく言ってるけど、とんでもない爆弾発言してるって、気付いてない?
電話でよかった。
直接会ったらきっと、蒸気した頬を、からかわれるに決まってる。
最初のコメントを投稿しよう!