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その次の日、あたしの思惑を裏切るように、携帯に印象深い番号が、表示された。
この番号、まさか――。
いやいや、まさか、ね。
このまま鳴り終わるのを待ち過ごそうと思ってたのに、そいつはしぶとい。
渋々、あたしは電話に出た。
『あー、亜弓ちゃん?
俺ー。郡司ー。望ー』
主語が多いッ!
しかもなぜチャン付け!?
第二印象、馴れ馴れしいに文句なしで決定。
「……何で、また電話して来るんですか」
不機嫌丸出しの声で、あたしは訊く。
『俺、また電話するーって言ったじゃん。
約束守っただけ~』
……ペースに着いていけない。
マイペース過ぎる。
「いや、そもそも約束してないし」
『あ、やっと敬語取れた。
思ったんだけど、別にタメなんだから、敬語いらなくね?』
……ん?
今の会話で、疑問点がひとつ、浮上した。
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