電波に乗せて。

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「何で、タメだって分かるの?」 あたしたち、全くの初対面なんじゃないの? 『あぁ、それは、男の勘ってヤツ?』 と、ワケ分からない理由を言ったあと、誤魔化すように笑いを繕った。 ……ヘンなの。 まぁ、今に始まったことじゃないから、いっか。 『ねぇ、それより亜弓ちゃん、今何してる?』 「サボり」 すぱっと、清々しいほどの即答で答える。 『俺も俺もっ! んじゃ今どこにいる?』 「屋上」 『俺もー。色々被るね』 ……まさか、だよね。 念のため、ぐるりと屋上を一周する。 だけど、人の気配はないし、人影ひとつ見当たらない。 一瞬、もしかしたらココにいるんじゃ――…なんて、考えが過ったけど、考え過ぎみたいだ。
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