恋色の頬

2/23
107人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
「……顔真っ赤」 「誰のせいだと思ってるの」 真っ赤な顔で睨まれても、効き目はゼロ。 誰のせいって言われても……。 俺しかいないじゃん、ね。 熱を帯びた頬に、指を滑らせるとまた、火が出たように熱くなる。 「俺のせい、でしょ? それがどうかしたの?」 何も言えないことを分かりながらも、意地が悪い俺は、さらに彼女を困らせる。 ピクン、と小さな反応を落とした彼女は、潤んだ目で俺を睨んだ。 それが逆に挑発してるんだってこと、まだ分かんないかな。 分かんないなら、……分からせるまでだけど。 俺はさっき触れた唇に、唇で触れた。
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!