電波に乗せて。

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「郡司望?」 只今、友達の安井葉月(ヤスイハヅキ)に絶賛相談中。 葉月は、同い年なんだけれども、すごく落ち着いていて、何故か人生悟ったような目をしている。 だから時々、心配になる。 「んー、あたしは全然知らないけど。 なんで? ていうかソイツ、誰?男?」 「いや、知らないから訊いてんだって。 声的に、男だと思うんだけどさ」 葉月が知らないってことは、この学校には居ないのか。 あの時の、郡司の態度。 それが気に掛かってしょうがない。 本人は、あんなあっけらかんと言っていたけど。 あたしはどうしても、縋り付くような声にしか聞こえなかった。 知り合って、2日。 なのに、アイツの言う通り、あたしは興味が湧いている。 「男なんて、珍し。 亜弓って男に興味ないって言ってなかった?」 「うん……。 だけど、なんか気になんだよね」 何処で興味が湧いたのかは、分からない。 ただ、あの番号が携帯に掛かるのを、あたしは嫌がってない、ということは事実。
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