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「ブヒブヒブヒ」
「ブヒ?ブヒブヒ!」
「ブヒーブヒー、ブヒヒィ」
物語の初っ端から、お見苦しい映像で失礼します。
どうやら、兄弟でもある三匹の子豚たちがじゃれ合っているようですねぇ。
まぁ肉々しいこと。
そこに一匹の大きな豚が、完全に生態を無視した二足歩行でやってきました。
どうやらこの化け物は、子豚たちの親のようですね。
えっ?母親か父親かって?
知りませんよ、そんなこと。
だってただの化け物なんですもの!
「あなたたち、何言ってるか分からないわよ。物語は始まってるんだから、早くこれを食べなさい」
どうやら♀だったみたいですね。
母親豚は自然な感じでそう発言すると、子豚たちに何やらぐにゅぐにゅしたものを差し出しました。
灰色で四角くて、感触以外は石のようなそれは果たして本当に食べ物なのでしょうか。
まさかこの母親豚、物語の冒頭からとち狂ったんじゃ……
そんな不安を掻き消すように、母親豚はしゃがれた声で
「ほんやくこ○にゃく~!」
と叫び始めました。
それを聞き終わるや否や、かぶりつく子豚達。どうやら母親豚のタイトルコールを待っていたようです。
「ふう、うまかったぜー」
「味噌がいいよねー」
「おフランス製ではないみたいだけどねっ」
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