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「はぁ……。」
中塚 愛梨[ナカツカアイリ]
私。今年で、二十歳。
「迎え…来ないから、もう大人になるじゃん。」
ピンポーン───
家のチャイムが鳴る。
「はいはい。」
しょうがなく立ち上がり、玄関へ足を進める。
「何よ?早くない?」
「アンタね~!今日くらい、アイツのこと、忘れなよ……」
「無理よ……。今日こそ、迎えに来てって、言ったのに、また、約束破ったし……?」
「アンタ……。いつまで待ってても、健は、迎えになんて、こないわよ!!てゆうか、来させないから!!」
「なんで?私から、健を奪うようなこと、言わないでよ……?」
辛いのに、迎えに来てくれない。
「もう、健は……死んだんだよ!!」
「止めてよ!!……菜那は、私を苦しめたいの?」
「そんなわけ無いじゃん!アンタが……愛梨が、健を引きずることが、幸せに見えないんだよ……。」
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