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職員寮に着いた私は、さっそく狼と部屋に向かった
父さん…理事長が言った通り、私の部屋は一人部屋だった
カードキーを使い中に入ると、そこは荷物が入っている段ボールの山ともともと置いてある家具があった
扉が閉まると、狼の口調は元に戻った
「ここが美姫さんの部屋だ。壁紙とかは自由に変えてもいいよ。好きなようにしていいから」
『うん、ありがとう狼。あと…ゴメンね』
「ん?」
『…あの時のこと、天姫を勝手に抜けたこと』
「ああ…別に俺は気にしてないよ、あんなことがあった以上、美姫さんがこうするだろうって予測は立ててたから。まあ他の奴らの反応は様々だけどな」
『そう……ねぇ、狼はどうして天姫を抜けたの?さっき言ってたわよね、抜けたって』
私は理事長室で狼が言ったことを思い出した
いったい狼はいつ抜けたのだろう
「理由は簡単。美姫さんがいないからだよ」
『え?』
「俺は美姫さんがいるから天姫にいたんだ。あんたがいない天姫は天姫じゃねえからな」
『ちょっ、ちょっと待ってよ!それじゃあ狼が抜けたら今誰が総長やってんの?!』
狼が天姫を抜けたとなると、その後見人を指名しなきゃいけない
はっきり言って、私たち二人の後を継げるのは…
「天姫は活動停止させてる。…あいつらに任せようとは考えたけど、やっぱり天姫の総長は美姫さんじゃないと務まらない」
『…』
「それに、正直あいつらだけじゃ天姫はあっという間につぶされる。解散も考えたけど、それはできなかった」
『なんで…』
「天姫は美姫さんのものだ。美姫さんが解散といわない限り、天姫の名前はなくならない。副総長の俺じゃ、決められない」
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