主人公紹介+1話

10/25
前へ
/28ページ
次へ
  職員寮に着いた私は、さっそく狼と部屋に向かった 父さん…理事長が言った通り、私の部屋は一人部屋だった カードキーを使い中に入ると、そこは荷物が入っている段ボールの山ともともと置いてある家具があった 扉が閉まると、狼の口調は元に戻った 「ここが美姫さんの部屋だ。壁紙とかは自由に変えてもいいよ。好きなようにしていいから」 『うん、ありがとう狼。あと…ゴメンね』 「ん?」 『…あの時のこと、天姫を勝手に抜けたこと』 「ああ…別に俺は気にしてないよ、あんなことがあった以上、美姫さんがこうするだろうって予測は立ててたから。まあ他の奴らの反応は様々だけどな」 『そう……ねぇ、狼はどうして天姫を抜けたの?さっき言ってたわよね、抜けたって』 私は理事長室で狼が言ったことを思い出した いったい狼はいつ抜けたのだろう 「理由は簡単。美姫さんがいないからだよ」 『え?』 「俺は美姫さんがいるから天姫にいたんだ。あんたがいない天姫は天姫じゃねえからな」 『ちょっ、ちょっと待ってよ!それじゃあ狼が抜けたら今誰が総長やってんの?!』 狼が天姫を抜けたとなると、その後見人を指名しなきゃいけない はっきり言って、私たち二人の後を継げるのは… 「天姫は活動停止させてる。…あいつらに任せようとは考えたけど、やっぱり天姫の総長は美姫さんじゃないと務まらない」 『…』 「それに、正直あいつらだけじゃ天姫はあっという間につぶされる。解散も考えたけど、それはできなかった」 『なんで…』 「天姫は美姫さんのものだ。美姫さんが解散といわない限り、天姫の名前はなくならない。副総長の俺じゃ、決められない」  
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加