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『天姫は…あたしがいないとそんなにダメなのかな…』
「少なくとも、俺はそう思ってる。仲間の一部は俺の意見に賛同したけど、他は否定してな。そいつらには抜けてもらった」
『…そう、なの…』
「ああ。そいつらは他の族に所属したり、まっとうな道に戻ったりしたみたいだ。新しい族を作ったやつもいるらしいけど、はっきり言って詳しくはわからない」
私が抜けたことで、天姫はバラバラになってしまったみたい
これ、やっぱり私のせいなのかな…
「気に病むことはない」
『え?』
「そいつらは自分の意思で辞めることを決めた。こうなったのは誰のせいでもないよ」
『狼…』
狼の言葉に、救われた気がした
ずっと思い悩んできた。天姫を抜けてから、狼や他の仲間たちが私を恨んでないかとか、天姫がつぶされたりしたら私のせいなんじゃないか…
その重みがすっとなくなった気がした
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狼が部屋を去った後、私は荷物を片付けた
すべての荷物を出し終えてソファに腰掛ける
ふー…と息を整えていると、チャイムが鳴った
ピンポーン
『?誰かしら…』
ガチャッ
『はい』
「あ、新任の白石美姫さんですか?」
『はい、そうですけど…』
「よかった、部屋間違えなくて…あっ、僕はAクラスの担任してます稲葉勇次といいます」
そういうと男…稲葉勇次は右手を差し出した。どうやら握手を求めているらしい
にしても、この男がAクラスの担任か…優しい人っぽいけど、なんか裏がありそう…
そう勘ぐりつつ握手に応じた
『で、稲葉先生は何用で…』
「ああっ忘れてた!今日先生たちだけで白石先生の歓迎会をやるから呼んできてって言われたんだった!」
『はぁ…』
「ってことで行きましょう!」
『∑わっちょっと待ってください!』
思い出したように慌てて私を引っ張ろうとする稲葉先生を慌てて呼び止めた
ピタッと止まり、バッと勢いよく顔をこちらに向けた
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