意外な一面

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先生「今日はテストをします。高校入試問題のな」 みんな「ええーっ!?」 先生「えー、言わん!」 教科変わって、理科の時間。テストをする事になった。 といっても、小テストというか……、別に教科書を見てもいいとのことだった。 けれどこれまた難しい……。 あたしは平均的にみても、まだ“バカ”ではないと思うんだけどなぁ。 あたしの中で“バカ”である、隣の神田の解答用紙ををちらりと盗み見。 見てぎょっとした。 ゆう「か…神田、何でこんなにできてるの…?」 あたしですら3つくらいしか埋まってないのに…神田はそれを上回っていた。 こいつ、馬鹿なはずだよね? 神田「俺は天才だからな」 ゆう「…っ、お、教えてください!っていうかカンニングさせてください!」 神田「いいぜー。ほれ」 え…、絶対バカにされると思ったのに。 しかも本気で解答用紙を見せてくれるなんて…。 優しい…? ゆう「ありがとうございます」 神田「感謝しろよっ」 得意げに、憎たらしい笑顔をこちらにむける。 憎たらしい……はずなのに。 なんだかその笑顔を“あたし”に見せてくれた事が嬉しくて…。 何だろう、この気持ち。
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