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ひらり、ひらりと。 風に弄ばれながら空を自由に舞う、白。 一面を甘く染め上げ、見るもの全てを狂わせる。 堪らず空に向かって手を差し出せば、手のひらに何やら冷たい感触。 「ゆき、か。」 青い空から降ってくるのは、白い綿毛。 ふわふわと世界の全てを白く染める。 「さくら…」 口を突いて出てくる自分の声にはっとした。 それから、唇をぎゅっと固く結び直す。 .
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