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玄関に入り、ドアを閉めるやいなや
早瀬さんにギュッと抱きしめられ、
深いキスをされ
しばらく2人の時間が流れた。
「やっと2人になれた」
そう言って笑う早瀬さん。
私も同じ気持ちだったから…嬉しかった。
「本当はさ~あかりちゃんが来たときにギュッとしたかったけど、和也がいたからねぇ…」
ふっと早瀬さんが溜め息混じりにもらした。
「早瀬さん…コーヒーでもいれましょうか」
「コーヒーまだ買ってな…」
早瀬さんの言葉を遮り、
「買ってきました。インスタントですけど…
カップもさっき届いた荷物に入ってます」
そう言ってコーヒーを入れる準備をした。
「いつの間にカップなんて?」
「1人で勝手に決めてごめんなさい。早瀬さんの趣味も考えずに時間があいた時に買って今日届くように送ったんです」
「そうだったの?ありがとう。
食器にこだわりはないからあかりちゃんの選んでくれたものが嬉しいよ」
そう言ってくれる早瀬さんが私は好きだ。
それからソファーに座り、コーヒーを飲みながらまどろんだような時を過ごした。
はぁ…帰りたくない
そんな心の声が聞こえたかのように早瀬さんも
「帰したくない…でもなぁ 約束だもんな」
と言って立ち上がった。
そして私に
「はい」と言って部屋のカギを差し出した。
「これがあればいつでも来られるでしょ?」
「ありがとうございます」
私は嬉しくなって早瀬さんに抱きついた。
早瀬さんも私を見つめてキスの雨を降らせてくれた。
「本当に帰したくなくなっちゃう…続きはまた今度な…送っていくよ」
そう言って駅まで送ってくれた。
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