1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…すみません、大丈夫です。」
顔を覗き込もうと立ち上がる彼女を右腕で軽く静止すると、
彼女も安心したのか椅子に座り直す。
「──すみません、どうやら記憶を無くしてしまったらしい」
名前だけではない
さっき彼女が言っていた、「砂漠で倒れていた」という事も覚えていない。
勿論、それより前の事も。
「…うーむ……
あ、そうだ!ちょっと待っててね!!」
俺の言葉を聞いて少し考え込んでいた彼女だったが、
何かを思い出したようで「すぐ戻るから」
と言うと足早に部屋を出ていった。
最初のコメントを投稿しよう!