思考回路の砂漠

7/10
前へ
/10ページ
次へ
「…すみません、大丈夫です。」 顔を覗き込もうと立ち上がる彼女を右腕で軽く静止すると、 彼女も安心したのか椅子に座り直す。 「──すみません、どうやら記憶を無くしてしまったらしい」 名前だけではない さっき彼女が言っていた、「砂漠で倒れていた」という事も覚えていない。 勿論、それより前の事も。 「…うーむ…… あ、そうだ!ちょっと待っててね!!」 俺の言葉を聞いて少し考え込んでいた彼女だったが、 何かを思い出したようで「すぐ戻るから」 と言うと足早に部屋を出ていった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加