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ノヴィント国第16代国王、メラネウス=イル=モータルジア
400年の歴史を誇る歴代の国王の中で最強とまで言われるほどの実力者である
だがその有り余る戦闘本能は王になってからも収まる事はなく
これまでに何度も城を抜け出しては
ギルドに依頼金を払えない程困窮した辺境の地で魔物討伐を行っている
この行為もあって国民には尊敬され崇められているが
大臣にとっては悩みの種でしかなかったりする
実際これまで何度も決闘を挑まれたり暗殺されかけたりしているのだ
それでも王が務まるのはやはり優れた武術と魔法知識があるからなのだが…
黒衣の男「ふぅむ…王の放浪癖にも困ったものですな」
銃を持った男「まったく、自分で王城に収集をかけておるというのに
私も暇ではないんだがなぁ」
謁見の間の椅子に座り、溜息を吐く2人の男
【黒の使者】ルイ=フォーガンと【識者の影】マニ=バークレイ
ノヴィント国では指折りの冒険者で、どちらもティリス学園の出身であり知名度も市民からの人気も高い
本当はこの2人ともう1人冒険者を呼んでいるのだが、その席は空白のままだ
大臣「ま…まぁ、まだボルト=エディアも来ておらぬし始めるわけには行かぬが…」
ルイ「あいつは陛下以上の放浪癖の持ち主ですよ?来るはずがないじゃないですか」
マニ「ったく、ボルト様ももう少し落ち着きがあればなぁ」
ルイは手元の魔法書を読みながら、マニは自慢の愛銃を丹念に磨いており
たいして気にも留めない様子だ
そんな光景に大臣が頭を抱えていると、謁見の扉が開いてユノとラファエルが入ってきた
ユノ「失礼…少々私用で遅れた」
ラファエル「俺も遅れてすまな…あれ?大臣、陛下のお姿がありませんが?」
大臣「はぁ…例の放浪癖ですよ、一応選別の権限は私にもありますが…
国家の主要人物たる陛下なしに選んでしまってはねぇ
まぁ、転移の魔法陣も持ってるでしょうし、そろそろ戻られるとは思いますが…」
そういって大臣は懐から頭痛に効くとされる丸薬を取り出して口の中へと放り込んだ
それと同時に、大臣の頭上に淡い光を放つ魔法陣が出現する―――
メラネウス国王「やっほー♪ただい…ん?」
大臣「えっ?」
このあと、国王にのしかかれた大臣は丸一日目を覚まさなかったという
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