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学校に着いた私は、さっそく戸惑った。
清永高等学校。
ここらでは唯一の私立だ。
けっこう建物がデカい。
私の家はどっちかって言うと裕福ではない。
しかし、どうしても行きたいと両親に頼み続けたら渋々OKしてくれた。
行きたかった理由は、小さい頃からの親友・綾の志望校がここだったからだ。
だから、勉強とか大嫌いだったけど頑張って、今ここにいる。
「勉強してきてよかったぁ!!」
私は嬉しすぎて、思わず叫んでしまった。
「…でっけー声。」
後ろから急に言われた。
私は振り返る。
うっわ…、すんごいイケメン…。
なんか…漫画に出てきそう…
キリッとした眉毛にパッチリ二重、鼻は真っ直ぐ通っていて、薄くも厚くもない唇、産毛さえもなさそうなスベスベの肌…
髪型はバッチリ、セットされている。
ルックスもかっこいい…。
とたんに私は、大声を出してしまった事を恥ずかしく思えてきた。
「…1年?」
ふいに声をかけられて、私は焦った。
「へ?!あ…、はい」
やばい…。超マヌケな声だしてしまったよ…
「同い年。…んじゃ」
そう言って、男はどっか行った。
私は訳が分からず、ただ突っ立ってた。
これが、羚欧と私の初めての出会いだった―。
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