原石

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2日後の金曜の午後、彼女はオフィスにやって来た。   『ずいぶん早かったね、てっきり来週辺りになると思ったのに…』   『私…他人に「こんな写真が欲しい!」なんて言われたの初めてだったから…』   『だろうね…』   『そしたら、撮りたい物だらけになってしまって…』 少しはにかんだような顔になり、そう言った途端…   『でも…でも、決して手当たり次第に撮って来たわけじゃなくって…』 と、子犬のような眼で慌てて言い訳を始めた。   『あぁ、わかってるさ…』   そう言って、努めて冷静なふりをしながら、たったあれだけのコンセプトで、そんなに撮りたい物が出て来るのか?   と、驚いていた…
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