EP1[スタンドアップ]

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「行くぞ、火燕(ひえん)…ぼーるがるのブースト、[神速の騎士ガラハット]でアタックだ!」 切れ目の黒髪の青年が静かに宣言し、カードをレストした。 「参ったな…ノーガードだ、来いよ雷斬っ!」 真っ直ぐな瞳をした赤髪の青年は堂々とそう宣言し、デッキの一番上のカードめくり公開をした。 「クソッ…トリガーはなしだ」 そうして、そのカードを横に五枚並んだカードを同じように並べた。 ファイターの方なら分かるだろうがこの時、ヒールトリガーというカードが出るとダメージが回復しチャンスを得ることができる。 「10戦全勝、火燕くーんリベンジはいつになるんですか?」 クリクリの目をした栗色の髪の青年が冷やかすように言った。 「うう…もう一戦だ、雷斬!次こそ勝ってみせる!!」 高らかな宣言と共に赤髪の指を突き出したその時だった。 「おい、爺さんその幻のレアカードを売りあがれ!」 若い銀髪の若者がカウンターから身を乗り出して店員の老人に食い掛かろうとしているのだ。 だが老人は表情を変えなかった。 「すまんな、その[ブラスター・ブレード]は大事な人から譲り受けたものなんじゃ」 そういって、老人は懐かしいものを見るようにショーケースに入った [ブラスター・ブレード]を見た。 「なら、ファイトだ!俺が勝ったらそいつをよこせっ!」 そんな老人を気にも止めず若者は続けた。 そこへ、火燕と呼ばれていた赤髪の青年が割って入り掴みかかった。 「おい、てめぇ随分無茶苦茶を言いあがるじゃねぇかっ!」 一触即発の状態の中、老人が口を開いた。 「良いでしょう、その話受けましょう」
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