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「ゲームが無理なら、私を救出に来たイケメン勇者の最新の目撃情報は?」
スケルトンは、肋骨の隙間から取り出したメモ帳を開きながら確認する。
「えーっと、グリダ国の勇者・パムロ様、速水もこみち似。
スライムに溶かされ死亡。
ガッシュ共和国王子・プラムド様、松本潤似。
大サソリを撃破するも、毒消し草を忘れて来たため、歩いている途中で死亡。
以上、二件ですね。
イケメンでない勇者でしたら…」
「ああ、イケメン以外はいいから。
てか、ありえんわ。
皆、下心丸出しで来るから、こうなるんでしょうが。」
パミョールは、ベッドに寝転ぶと、スナック菓子を食べ始めた。
その様子を見たスケルトンは、ため息をつきながら…
「では、魔王様の求婚を受け入れては如何かと。
北村一輝に似ておられますし…」
「却下。
顔濃すぎだろ。」
パミョール姫は、こんな毎日を繰り返しておられるのです。
ちなみに、パミョール姫は、
わがまま
性格ブス
大食漢
飽き性
アホ…と、悪い所が何拍子揃っているか分からないほどのお方だったのです。
それを知らずに今日も各国から、大勢の勇者が、命懸けでパミョール姫を救出に来るのだった。
そして、万が一、モンスターたちを倒して城に接近してきたのがイケメン勇者でなければ…
ドラゴンの群れをけしかけて、追い払うのだった。
今のところ、パミョール姫の期待に添う勇者は…
…いない。
つづく
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