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「韓流ドラマのDVDは、嫌いだって言ったでしょ?!」 「花より男子のDVD買ってこいと言ったのは、パミョール姫様ではありませんか!」 パミョール姫は、囚われの身でありながら、今日も見張り役のスケルトンに不満を漏らしておられます。 しかも、ご所望のDVDを買い与えられたと言うのに… 「誰が花より男子の、韓国バージョンって言ったのよ! 私が松潤と小栗旬くんのファンだって知ってるくせに… 嫌がらせか、てめーは!」 そう言いながらパミョールは、DVDのケースをスケルトンに投げつけた。 「パミョール様、落ち着いてください。 後から返品してきますから! (てか、返品無理だろうな… ブックオフで売ってから、中古のでも探すか、レンタル落ちとか。 100円ショップで買ったケースにジャケット突っ込めばバレんだろう、この女アホだし…)」 「誰がアホなのよ!」 「しまった!」 スケルトンは、心の中で呟いたはずの事も、口に出してしまうという悪い癖があった。 スケルトンだけに、心の中が透け透けだったのである。 それから数日後、囚われのパミョール救出にやって来たイケメン勇者の目撃情報が飛び込んできた。 「パミョール様、イケメン勇者の情報です。 な、なんと小栗旬似ですよ!」 「マジで? ちょっと、オペラグラス貸しなさい!」 パミョールは、スケルトンの手からオペラグラスを奪うように借り受けて、城の窓から外を見渡した。 すると、モンスターたちと果敢に戦う勇者の姿が飛び込んできた。 勇者は、スライム、大サソリ、大コウモリなどを次々と倒していった。 もうすぐ、勇者の顔がはっきりと見える位置まで近づいた時だった。
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