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「おい、スケルトン。
あれのどこが小栗旬だよ。
お前の目は、見た目通り節穴か…
よく見てみい!」
「いえ、小栗旬似ですよ。」
スケルトンは、新たに買ってきたDVDのジャケットをパミョールに見せた。
そこには…
「花沢類…藤木直人…
旧バージョンやないかい!」
DVDのケースでスケルトンの頭を叩くパミョール。
藤木直人もじゅうぶんイケメンなのだが、どうやら、イケメンでもパミョールにとってはストライクゾーンではないらしい。
しかも、その藤木直人は、けしかけられたドラゴンの群れまでも追っ払ってしまった。
「げぇっ、藤木直人が迫ってくるーー!」
パミョールは、かなり慌てたようすである。
そんなに嫌いなのか…
こんなことでは、ホタルノヒカリ劇場版に対する営業妨害である。
ドラゴンより強力なモンスターと言えば、魔王ぐらい…
パミョールは、変な所で北村一輝に借りを作りたくなかったので、とんでもない行動に出た。
「こうなれば、私が出る。
直接、あのパラパラ野郎を追い払うわ。」
「えーーっ、そんなことしたら。わたしが北村じゃなくて、魔王様に怒られますよ!
それより、しっかりギャルサー観てたんじゃないですか。」
パミョールは、クローゼットから戦いにふさわしい衣装を取り出すと、人目もはばからず、着替えを始めた。
「(胸、小っさー!)」
「お前から殺すぞ、ガイコツ!」
パミョールが、身にまとったのは、ベルばらのオスカルとも見紛うほどの勇ましい衣装。
中世の女剣士…いや、男装の麗人として勇者の前に立ちふさがるつもりだ。
「てか、あなたを助けに来た人をわざわざ妨害するなんて!」
「どーせ、私が目当てなんなら、私にも選ぶ権利くらいあるから。」
理解出来ない行動をするパミョールに、スケルトンは混乱する。
パミョールは、腰に剣を帯びると、力強く叫んだ。
「桃薔薇の剣士、パミョール行きます!」
果たして、パミョールは藤木直人似のイケメン勇者の侵攻を阻止できるのか?!
てか、阻止する必要はあるのだろうか…
つづく
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