うたかた

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「・・・・・・・・・・・ずるい人だね」 「婚約者の彼女はいいの?」 「それを僕に言わせるの?」 「勘違いした彼女の顔が面白かったよ・・・・・・・俺は君を見つめていたのにね」 「自信過剰なんだ・・・・・・貴方と同じさ」 「その自信過剰の俺をどうして追いかけて来たの?」 ソファーに座り、気怠そうに瞳を閉じていた君の耳元で囁いた 「さっきまで正直迷っていたんだ・・・・・でも、指が触れた瞬間、もう何もいらないと思った・・・・・・貴方だけが欲しいと思った」 そう・・・・・・未来の無い世界を君は選んでくれたんだね 「俺も、婚約者とダンスを踊る君に嫉妬した・・・・・・君が覚悟を決めてくれるのなら俺は」 「聞かせてくれる?貴方の本心」 「ああ」 俺は少し不安そうな彼の手を取り、そっと握り締めた。 うたかたの恋にはしたくないほど、お互い戻れないところまで来ていたんだね。
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