過去の記憶

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小学校、中学校も同じ。 いつも3人は一緒だったーー 小学校に入ったばかりの頃、アタシは初めての恋を覚えた。 相手はもちろん悠哉。 悠哉に対する気持ち、これが好きってことなんだ……。 そのことに気付いたアタシは、すぐに姉の春菜に相談をした。 今思えば、子供ながらに何かを感じて、アタシは春菜に言うことで「悠哉はアタシの!」とアピールしたかったのかもしれない。 その日の夜、春菜は「同じクラスの男の子が好き」と顔を紅く染めながら言った。 その瞬間、ホッとした気持ちがしたのを覚えてる。 でもその時、気付けば良かったんだ。 悠哉の気持ちが春菜に向いてるって、うすうす感ずいていたから不安だったんだってことに……。 この時、引き返していたら、こんな辛い想いをしなくても良かったのにーー 3人の関係は、表向きには変わりなく続いていた。 アタシが中2の時までは……。 あの時のショックは、きっと一生忘れられない。
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