BRAND NEW LOVER

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何とか立ち上がろうと腕を付きヌーノの起こす強制力に抗おうと頑張るスプリガン しかし端から見れば大巨人がヌーノに土下座している様にしか見えない 一歩も動かず完璧に巨大なスプリガンを封じた小さなヌーノにフィオ達は言葉を発する事も出来ないでいた 同じラフレシアの住人であるムルギベル広場の客もやはりヌーノの力を目の当たりにし絶句する 「さ、流石……すげぇなぁヌーノさん……噂は聞いてたけど……」 「別にどうって事無いわ、さてスプリガン……まだ子供らしいから心までは奪わないでやる……しかし、これからする質問に嘘とか黙秘は許さないわよ」 スキル鬼道HIGH-BOOSTERの力の一端に鬼を支配する能力がある その強制力は見ての通りで催眠術とは違い自殺させる事など簡単に出来るし心まで掌握可能 しかも対コンロイ戦で見せた肉体超越とは違い結界内でのみ発動との条件も無い ヌーノが嘘と黙秘を許さないと言えばスプリガンは真実を告げるしかないのだ 「ワッチは思いなんした……エッチダメーとはそこな長髪の悪魔に言ってるんじゃないかと……この悪魔……ワッチも知りんせんが女子供を攫う小鬼でありんすか?」 「そーだ雀、誰担いでんの?なんでまた悪魔になってんのよ?……ん?スプリガンに襲われたからか……このバカはたまに悪魔になる変わったバカで知り合いだからいいのよ」 いつの間にか雀の背後に立っていたナオはまるでホールドアップ強盗の様に扇子を雀の背中に突き付け 冷たい目で雀の後頭部を見つめながら呟き、ヌーノの知り合いとわかると扇子を下ろした 「そそそそそう!!そーなのよヌーノさぁあああん!!この人、リコがね!!スプリガンに襲われてたから俺カットインしたら髪ミョーンて!!な!!」 「…………え?……そ、そう、らしいですハイ……」 『ウソダメー、エッチダメー、スプリガン、エッチさせないー』 意見が割れる当事者達、しかしスプリガンは偽証不可能なのだから嘘を言う筈が無い だが白河 雀は今や可愛い弟みたいな存在、そんな彼の言葉をヌーノが嘘などとは 「お前……エッチしてたのか?この大会中にこの女と?…………お前の脳味噌は耳糞並みの大きさかオイ……何考えて生きてんだ!!さっきも言った気がするわよこのバカ!!」 ヌーノは雀の言葉を1ミリも信じなかった様だった
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