BRAND NEW LOVER

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「マジか……ジャングルとか大変だろ……女の子に無理じゃねぇか?キンタやナオさん?悪魔だから大丈夫だろうけどリコには……」 パッとリコリッタは雀の手からマッチ箱を取ると、パッと一歩離れた 「大丈夫、今の私何でも出来るから……もうあんな……惨めに逃げ出す様な生き方はしない……きっと6年会えないんだと思う……だから……バイバイ雀君!!可愛い彼女見つけなよ!!」 「6年て!!休みくれぇあんだろ!!」 「休みがあっても遠くのジャングルだったら会えないじゃん……まさか6年待てとは言えないでしょ私……可愛い子ばっかりだったし、雀君の周り……言い訳してた子が本命て奴かな?髪の長い子」 花魁とは別に新種や珍らしい蘭を追い求めるオーキッドハンターではないのだ 「フラれてばっかだけどね……ま、ライバルがカッケ過ぎっからな……勝ち目0……」 「……雀君さ……その子を好きってだけで満足してない?……誰かを好きで居たいってだけじゃないよね?」 リコリッタの言わんとする真意を雀が理解できるなら、広場でリコリッタが傷付いた事をその場で察知し慰めただろう ナオも雀を引き留めたりはしなかった筈である 「ライバルって目に見える存在がいるなら勝てる努力を!!私も努力してナオさんの恩に答える!!頑張れ雀君……私は……君が頑張ってるって信じて、遠くのジャングルで頑張るから……私が惚れた雀君が負けるわきゃ無い!!信じてる!!元気で!!諦めんな!!」 「お…おぅ……頑張る…ます?」 カチャカチャとマッチを持つ手を振り回すリコリッタ、何が何だかわからない雀 突然、ピョコッとリコリッタが飛び、距離を詰めると雀の首に手を回し、強引にキスをした 耳元で鳴るマッチの音すら聞こえないほど驚く雀 短いキスの後リコリッタは笑った、してやったりといった顔でニヤリと 「待てとは言わないけど諦めるとも言って無いもんね……フフン……6年後、君がまだフラフラしてたら……いいえ……隣に誰かがいても幸せじゃなかったら私が君を奪う……それくらいの良い女に必ずなる……次は逃げずにステージに上がってみせる……またね、雀君」 リコリッタが見えなくなるまで雀は立ち尽くし、少しま動けず 我に返るにはディスプレイの中のメイとハイネの罵詈雑言が必要だった
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