境界

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もはや撃たれた傷など誰も心配などしていない、それどころか懸命に否定する雀より敵であるツバメの言葉を全員が信用してしまっている これが日頃の行いの成せる業か テーブルをバンバン叩いて笑う凛子の声に愕然とする雀 何故か申し訳無さそうなメイ、悪いわよと言いつつ肩を震わすフィオがディスプレイを見て顔を背ける 『すげぇバカだバカだとは思ってたけど、本当にバカな雀』 「キンタッ!!お前が言うか!!街あんなにしたお前が言うな!!お前ほどじゃねぇぞ!!これは間違いだ!!間違いなんだよ!!」 『いやいや……ジョナの見解だとやっぱり雀は妖精らしいのよ、ホラ、ホルス?アレを雀が捕まえた時言ってた……で……実は妖精王の関係者、もしくは息子か、または本人……空気を操る事が出来る者』 『バカの王ッ!!雀君スゲェ!!バカも極めれば大したモンよ!!』 「凛…ちゃん……」 涙声で呟く雀、完全に失意の底に重石を着け沈んでいく バカ笑いの中、ただハイネだけは真顔でひたすら黙り……頬を汗が伝う 『概念とは……世界システムとは何です……いえ……肉体の檻である可能性も……概念が大事なんですかマイトヤーレ君』 『ん?……あ、あぁ……しかし雀にはあまり関係無い時案かもしれん……まだハッキリ言えんが……』 『ヌーノさん、雀君が空気を操るトコ……見たですか?』 『ジョナがね、空気の濃度みたいなのをいじってオゾンを作り出したって、ただ無意識みたいらしいわよ』 それをきき俯き、ブツブツ呟くハイネをマイトヤーレとヌーノが見つめていると、ハイネは顔を上げ真顔で 『妖精の王様が出る物語は多いですけど妖精の王子様はありません……概念とは……ストーリー上の妖精王が妖精王で在る由縁や能力……空気を操る、夢と虹の支配者、月光誘う踊り手……』 『ハイネ?』 不思議そうに呟くハイネを見る2人、バカ笑いの中ハイネは珍しく自信あり気に言った 『遅延の魔法陣……エ、エッチの邪魔をするスプリガン……概念を守る為の物です……妖精王、たくさんの異名の中にこんなのがあります』 ディスプレイの中の少年、やや幼い顔に幼い行動の彼を見つめ、呟く 『永遠の少年……』
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