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パチンとジッポーライターを閉じれば細い路地はすぐ暗闇に包まれ
葦の様に壁の至る所に張り付く、建物の血管とも言うべき管から漏れるスチームがフンワリ漂う
少しばかり口数が増えた名うての賞金首、彼女でも不安を覚える事にヒコは苦笑し
同時に彼女が何度か言った「チケット」「チケット持ち」がそうさせているのだろうと考えた
「次に、現段階でポイントに目が眩んでるバカは淘汰される……ポイント丸見えに実況付き、カモネギだ……俺らは何戦かやったある程度のポイント所持者を狙う、3回戦うより1回」
「……おー……つまり3回戦ってヘロヘロになったポイント貯めたバカからポイントをかっさらう……お前頭良いな」
「ここまでは誰もが思い付くだろ普通……今はポイントの減少が1度も無い奴、つまり残りそうな奴をピックアップしそいつのスキルをhornetで調べてるワケだ……傾向と対策だな要は……注意すべきは現段階で1度もポイント移行が無い参加者、そいつは避けたい……人数が減れば実況も詳細になる、それを待つ」
温くなった缶コーヒーを飲み干し細い路地の入り口へ置きに行くヒコ
ヴァネッサも習い先程どこからか拝借した缶コーヒーをヒコとは逆の路地への入り口へ
明るい通りから暗い路地裏、目が慣れない者がウッカリ者が蹴る可能性は半々か
だがど真ん中に置かれた缶
慎重な者は誰かが万全の体制で待ちかまえてるかもと考え敬遠する可能性も半々
「何でだよ?ただのビビりじゃねーのかソイツ、楽勝だろうよ」
「だだのビビりなら真っ先に駆除されてるよ……逆だ、手が出せない奴だよソイツらは……体力の消耗も無い、戦闘を観察する事も出来ない……例えばCROWだな……やるには情報がいる」
ヒコがマルボロの箱をヴァネッサに差し出し、受け取ると残り3本
「吸ってる煙草の銘柄もコレに書いててほしいもんだな……んで、アタシらはいつ動く」
「ソレ吸い終わったらだな……ん?……エナジー兄弟がジョナとコンロイを抜いた……近いな」
すぐ隣の地区にエナジー兄弟がいる事がディスプレイで確認でき
映像ではポイントがガンガン上昇する2匹の横顔が映っており、片方の頭上に30コンボと表示されていた
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