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ニコニコ笑いながら妙な事を口走る女に雀は首を傾げ、一瞬真顔になり路地裏へ駆け込むと
鈍く籠もる音が微かに響く
「へ?…………ちょ!!ちょっと!!ジャポネ……雀君?どこ……」
「ちょい待ってねぇ!!ん~……お、バッチリじゃん……1ゲージだけかよー、まぁ良いや、悪いね……」
「どーしたの?いきなり走り出し……あれ?ポイント上がってる……」
「ゴム弾ゲット、1ゲージだけどね……口径同じで良かった」
雀が出てきた路地に誰かの足だけが見え、その足の人物はどうやら寝ているらしかった
「や、やっつけたの?今の一瞬で?……どうやって……ゴム弾……もう手に入れちゃった」
「だってゴム弾の方が気絶させられそうじゃんか、お得だね」
そんな事は言われなくても女だってわかっているだろう
女が言いたいのは僅か一瞬で敵を倒しポイントが40から70へ
そして今話したばかりの噂のゴム弾をあっという間に調達してみせた要領の良さだろう
ピントがズレた事を言う雀に女はちょっぴり飽きれたが、それ以上にあどけない笑顔と素早い行動のギャップに胸が高鳴った
「ウフフフフ、アハハハハハ!!ねぇ、早く行こ?部屋見たいなぁお姉さん……あんまり汚かったらお掃除してあげるよ、今夜はどうせ暇だしね」
「とりあえず粗大ゴミは昼間捨てたけどさぁ……サンダルじゃ危ねぇかもよ?ブーツなら安心だろうけど……女の子ってみんな掃除好きなんだな……」
「ブーツ?そんなに汚いの?ブーツって女の子のブーツよね?アーミーブーツとか探検隊のじゃ無いわよね?」
「遭難はしないよ、昼間頑張ったもん、まぁ道に突っ立ってるよか安全か……友達とか連れて来て部屋でディスプレイ見てたら?」
女はまたキョトンとしマジマジと雀の顔を見つめ笑い、少し距離を縮めた
「いーのいーの、行こ?」
「ん、そうなん?しかし最近服の消費が激しいなぁ……買っててよかった」
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