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とある晴れた昼下がり。
外では最近五月蝿くなって来たセミが嫌でも夏という季節を知らせるほど鳴き続け、『地球温暖化にバリバリ貢献してやんよ!!』と言わんばかりに人々はクーラーを1日中効かせっぱなしにする。
学生ならばもうしばらく我慢すれば夏休みという夢の日々が待っているのだが、社会人には長期休暇でも取らない限り毎日暑いなか会社へ出勤しなければならないのだから堪らない。
そんな太陽がサンサンと降り注ぐ夏の日曜日。
例にこぼれずクーラーをギンギンに効かせながら2人の男女がゲームをしながら会話をしていた。
「僕はやっぱり髭オヤジだね」
「アンタいつもそればっかりね」
1人は特に特徴のない眼鏡を掛けた平凡な男子。
これと言って特徴のない顔の作りは、良い言い方をすれば『不細工ではない』。
高校に上がったばかりの彼だが、成長期の波にほんの僅かに乗り遅れたらしく身長は160cmと同年代の男子に比べれば小さい方。
髪は短髪でも長髪でもない半端な長さで、痩せてはいないが筋肉が付いているわけでもない一般的な体付き。
『普通』という二文字は彼の為に存在するのだろう。
一方女性の方は男性とは違い個性に溢れた。
ぷっくり膨らんだ柔らかそうな唇。
くびれたウエスト。
一般女性が日々目指している美白の素肌。
そしてうつ伏せに寝転んでいる為に横へグニャリと潰れている豊満なバスト。
全体的にスタイルは抜群であり、顔のパーツも作ったかのように全てが整っている。
ここまで説明すれば完璧な女性にしか思えないが、たった1つだけマイナス要素が……。
それは彼女の全く手入れされていないボサボサの黒髪。
整えれば誰もが振り向く美女なのだが、そのウニのような髪が原因で残念な感じに仕上がっていた。
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