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身長が女性にしては高めの170cm前半で、髪さえ整えればモデル顔負けの素質があるだけに非常に勿体ない。
2人は今色んなゲームキャラが夢の共演をする格闘ゲームに熱中しており、お互いパジャマなところを見ると年頃の姉弟ほど意識もしていないらしい。
「あぁ……また負けた……」
「弱いわねぇ遥(はるか)。次は罰ゲームありでしてみない?ハンデ付けてあげるから」
「ハンデ?」
「アンタはコンピューター2キャラ(レベル最大)と3人グループ対私1人とか」
「うわぁ自信満々。じゃあ罰ゲームの内容?」
「ん~……スタンダードに負けたら命令を1つ聞くってのはどう?」
「まぁそれでいっか」
遥と呼ばれた男性は3対1なら……と深くは考えずに姉……蓮(れん)の提案を飲んだ。
これが自分の学生生活を徹底的にややこしくする元凶になるとも知らずに……。
――
「雑魚」
「うぐっ!」
圧倒的に有利な条件での敗北。
一言でゲームの腕を評価されてしまった遥だが、一矢報いることなく終わってしまった為に反論出来るはずもなくその場にガックリと膝を付いた。
今思えば常に暇人やってる姉にゲームで勝とうとすること自体無謀だったのだ。
「じゃあ罰ゲームね。守らなかったら久々に樹海巡りコースだから」
「ひっ!?」
樹海巡りコース。
かつて蓮が『面白そうだから』という理由で手足を縛った遥を樹海のど真ん中へ放置。
移動方法は両足でピョンピョン跳ねながら進む。
アテもなく彷徨う絶望的な状況にも関わらず蓮は遥を放置したままさっさと樹海を抜け出して帰るのだからたまったものではない。
あの時はどうやって帰ったのかは分からないが、死にかけた記憶はまじまじと脳裏に植え付けられている。
休日の気楽な雰囲気で忘れていたが、蓮は鬼畜な独裁者なのだ。
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