第一章

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「『5大美少女』全員から告白されなさい。自分から告白するのは無しよ?そして全員の唇奪いなさい」   「…………………………出来るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」   力いっぱい叫ばせてもらったところで、騒音に耳を塞いだ蓮が不機嫌そうな表情で蓮がこちらを睨む。   鋭い眼光はこちらを震え上がらせるが、こちらとしても今回ばかりは引くわけにもいかない。   遥は極一般的な容姿。   実は自分で気付いていないだけで眼鏡を外したらイケメンだった……なんてオチも存在しない。   無理ゲーにも程がある。   「うるっさいわね~。本当なら『初体験奪え』とか言いたいところを妥協してあげたんだから我慢しなさい」   「どちらにしても無理があると思いますが!?」   「樹海」   「やります」   あっさり負けた。   ゴールが見えずに何度もフラフラ彷徨ったあの地獄に比べれば断然マシだ。   ……まぁ半年以内に達成出来なければ結果は同じわけだが……。   「じゃあ頑張ってねん♪」   「……今の内に遺書準備しておこうかな……」   こうして荒井遥(あらい はるか)の学生生活は決まった。   ほぼ強制的に。
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