第二章

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「今日も華やかだなぁ…」   「お前誰派?」   「俺茜(あかね)さん派!」   「俺は結衣(ゆい)さんだな!」   「俺紗理奈(さりな)さん!」   「灯(あかり)ちゃんも可愛いぜ?」   「菜々美(ななみ)さんは外せねぇな!!」   朝の学校。   1年の教室で男子達は窓ガラスに張り付き鼻息荒く校門を眺めていた。   遥も流れに乗って窓の外を眺めると、まるで花道のように生徒達が道を開けて美しく可愛い5人組の美少女達が校舎に向かって歩いて来ている。   『無理だよ…まるでアイドルだし…近寄るだけでボコボコにされるよ…』   昨日姉にあの美少女5人を落とせと言われたのだが、もしかしたらただ自殺するより苦しい未来が待っているかもしれない。   『5大美少女』などと大袈裟かと思われるかもしれないが、彼女達ならまだ控え目な表現とさえ言えよう。   彼女達1人1人のファンクラブはまるで神の扱いをし、話し掛けることすら叶わない。   「………はぁ…」   運良くフラグでも立ってくれればいいが、生憎人生で一度もそのような経験は無く期待は全くしていない。   結局自分からアピールするしかないわけだが……。   『うわぁ……近付く人皆ぼこぼこにされてるよ……』   更に『5大美少女』を観察していると、彼女達に少しでも下心を持ち近付いた生徒はファンクラブの方々に見事なまでにズタボロにされている。   しかも『5大美少女』には気付かせないように絶妙に端へ引っ張りながら……。   『……まぁ何もしないよりは自滅覚悟で近付いた方がまだマシだよね?悪印象でも僕って存在を知ってもらわないと進まないし……』   出来れば人に相談したいところだが、ターゲットがあの5人となると誰も取り合ってもらえないだろう。   滅多に使わない方向へ頭をフル回転させ、多少頭痛がした遥であった。
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