はじまり

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「夏休みだし、事件が起きそうなとこへ遊びに行こうか」 アイスティーを飲みながら、なんとなく早見月妃くんにそんなことを言うと、彼は慌てるように言った。 「ぶ、物騒なこと言わないでくださいよ!」 「ククク…」 面白くて笑った私に、月妃くんは大袈裟なくらい大きなため息を吐く。 ここは私の仕事場。 全体的にコンクリートで造られていて、机と椅子とキッチン、トイレくらいしかない貧相な探偵所である。 そして、そこでひっそりと探偵をしているのは私。 私の助手をしてくれているのは、早見月妃くん17才。高校生だ。 彼は、私の足を引っ張っているが、とても良いヤツなので、見捨てないでいる。 優しい雅。 「雅さん、明後日から旅行に行くんでしょう?準備はできてるんですか?」 そういえば、すっかり忘れていたな…
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