雅さんと殺人事件

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「雅さんは、お腹が空いて死にそうだよ」 「………」 無視された。 揺れるバス。酔いそうだ。既に酔っている。吐きそうだ。 窓から見える景色は、ビルやお洒落な飲食店から、どんどんと木や用水、川などに変わってきた。 「月妃君よ、君は私のことをどう思っている?」 なぜか急に、そんな質問を投げ掛けてしまった。 「………どう、って…。尊敬してますよ」 驚きつつも、月妃君は真面目に応えてくれた。 優しい子だ。 「そうか…。尊敬か…。良いね!私は嬉しいよ」 笑うと、月妃君は不思議そうな顔をして、呆れたように笑った。 *** しばらくして、バスが停車した。 古びたホテルの前だ。
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