雅さんと殺人事件

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もう、辺りは茜色に染まっていた。 田んぼだらけの田舎に、私と月妃君は呆然とした。 「……こんな田舎にも、ホテルがあるんだなー。……えと、ラブホテル?」 「ラ!ラバーホテルです!LOVEじゃなくて、lover!」 空気を和ませようとして言った冗談に、月妃君は顔を紅くした。 「さて、入るか」 重たい扉を開けて、私と月妃君は中に入る。 正面には時計の絵が大きく飾られていた。 左側にカウンターがあり、月妃君がチェックインしてくれている。 『loverーhotel』 今日ここで、殺人事件が起こることを今の月妃君はきっとまだ知らない。 「………」
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