0人が本棚に入れています
本棚に追加
もう、辺りは茜色に染まっていた。
田んぼだらけの田舎に、私と月妃君は呆然とした。
「……こんな田舎にも、ホテルがあるんだなー。……えと、ラブホテル?」
「ラ!ラバーホテルです!LOVEじゃなくて、lover!」
空気を和ませようとして言った冗談に、月妃君は顔を紅くした。
「さて、入るか」
重たい扉を開けて、私と月妃君は中に入る。
正面には時計の絵が大きく飾られていた。
左側にカウンターがあり、月妃君がチェックインしてくれている。
『loverーhotel』 今日ここで、殺人事件が起こることを今の月妃君はきっとまだ知らない。
「………」
最初のコメントを投稿しよう!