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夢を見た。
高2の思い出が走馬灯みたいに巡ったような夢。
『亮!』
懐かしい声で呼ばれた気がしてバッと目が覚めた。
静まり返った部屋の中、布団の上には俺が一人いるだけ。
「なんだ…夢か」
大学から帰宅してそのまま寝てしまったようだ。
窓の外は夕暮れで、雲がオレンジに染まって流れている。
腕時計の時間を確認すると午後5時58分だ。
俺は急いでテーブルの上の煙草と脱ぎっぱなしの上着を持って慌てて部屋を出た。
玄関のドアを開けきる前に顔を出してしまい、こめかみがドアに挟まり恥ずかしい姿になった…が、今は恥じらう乙女心に浸ってる場合じゃない。
約束の時間まであと2分…
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