74人が本棚に入れています
本棚に追加
それから数日、山瀬は学校を休んだ。
どうやら先生たちには俺が殴ったことを言っていないようだ。
確かにそれを言えば、自分が槙野さんに何かしたこともバレてしまう。
「大丈夫かな…」と、槙野さんが心配する。
「あいつ鼻血と白目だったしな…」と、俺が他人事のように言う。
その数日後には、槙野さんの心配をよそに何食わぬ顔で山瀬が登校してきやがった。
もう一発くらい殴りたくなるくらい普通にしている。
「もう、いいの。」と槙野さんが言うから我慢しているが、本当は殴り飛ばしたい。
もうすっかり夏になり、蝉の鳴き声がうるさい季節になっていた。
相変わらず俺は槙野さんと祥子さんの所へ通っている。
最初のコメントを投稿しよう!