Ⅰ 転校生

5/19
前へ
/108ページ
次へ
「ちょ、遊空―――」 金髪くんに近づいて行く私を止める唯。 「俺は金髪くんじゃないよ。 金髪だけど。俺、日向ってゆーんだ、岡本日向(オカモト ヒナタ)。キミ、綺麗な赤い髪だね。」 そう言って、私の髪の毛を触ってきた。 日向…………? 私の知ってる日向も金髪だ。 まさか、ね。 「名前は?」 「如月ゆう――」 「佐野唯ですっ。2の1です。何組!?かっごいいですね!!!!」 私が名前を言いかけると素早く唯が喋った。 日向は私の頭の上に手をおいたまま、 「キミじゃないよ。この可愛い子に聞いたの。キミは黙っててね。」 と、サラリと若干酷いことをいい、 私を唯と向かい合わせ私の頭の上に顎を乗せた。 「――った。」 その上、顎をゴリゴリしてきた。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加