壱話 蜻蛉

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「ぼーっとしてると冷めるわよ。」 耳元で囁かれ、思わず硬直してしまった。 「か、母さん」 横目で見るとそこにいたのは母さんだった。 ……考えている時にこの攻撃は心臓に良くないと思う。 「ほら、食べないと母さんが貰っちゃうわよ?」 そう言って笑顔で箸をのばそうとする。 その手を軽く叩いて 「いただきます。」 と慌てて料理を口に運んだのだった。
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