1章 はじめのいっぽ

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そういうコガネのほっぺたはふくれている。 怒っているんじゃない。 笑うのを我慢してるんだ。目じりには涙が溜まっている。 こいつ……。 「……さっきの爆発はお前がやったのか?」 「ぷふっ……ひ、ひがふよ」 目を逸らしつつ否定する(多分違うと言ったんだろう)。 そういうことはほっぺた凹ませてから言え。 「じゃあ元からなんかが当たったら爆発する仕様だったってことか?」 「ぷぎゅふぅっ……そ、そひゅきゃも?」 もはや日本語じゃないが、(そうかも?)と言ってるらしい。 この野郎……(野郎ではない)。 「そんな危ないもんポンポン作りだして、そのうえ俺に調べさせてんじゃねえっ! 前髪焦げて危うく頭が火事だよ! てかお前笑いすぎ!」 「ひぃーもう止めてー」 コガネは笑いを堪えるのを諦めて、石段をバンバン叩いている。 俺がお願いしたい神様はこんなんじゃねえ……。
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