2章 人は見た目じゃ

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「汚されてしまった……」 「なんじゃい、減るもんじゃあるまいし、貞操の一つや二つ!」 「そこまでされてねーよ! つか女のセリフじゃねえよ、それ」 パンツは見られたが中身は死守した。 「で、どーすんだよ。全然話進まねえだろ!」 「そうは言うてもぉ、化生の方は今のとこどうしようもないんよね。 はっきりしたちょっかい出す理由も分からんし。 匂い辿ろうにも、ノブくんの周りってなんだか気の流れがおかしくて無理じゃし? 妖力とか霊力探知は苦手だし、そういう機械も持ってないからこっちからアプローチするのは厳しいんよね」 そう言うコガネは匂いを辿る件辺りで、俺から剥ぎ取ったジーンズをクンクンして、うへえという顔をしている。 やめろ。 「なんかいまいち良く分かんないけど相手の出方待ちってことか?」 「そゆこと。 で、今の内にもう一つの可能性の方を潰していこうかな、と思っとります」 ジーンズを取り返そうと手を伸ばすも、コガネに天井に逃げられ顔を素足で踏まれる。 「ほうひほふのかのうへい?(もう一つの可能性?)」 ほっぺたを生足でぐりぐりされて上手く喋られない。 やべえなんだか変な世界の扉を開いたらどうしよう。 「そう、もう一つの可能性!」 コガネは地面に降り立ち、「びしぃっ」と自分の口で言いながら俺を指差す。 「ノブくんが悪い!」
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