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「汚されてしまった……」
「なんじゃい、減るもんじゃあるまいし、貞操の一つや二つ!」
「そこまでされてねーよ! つか女のセリフじゃねえよ、それ」
パンツは見られたが中身は死守した。
「で、どーすんだよ。全然話進まねえだろ!」
「そうは言うてもぉ、化生の方は今のとこどうしようもないんよね。
はっきりしたちょっかい出す理由も分からんし。
匂い辿ろうにも、ノブくんの周りってなんだか気の流れがおかしくて無理じゃし?
妖力とか霊力探知は苦手だし、そういう機械も持ってないからこっちからアプローチするのは厳しいんよね」
そう言うコガネは匂いを辿る件辺りで、俺から剥ぎ取ったジーンズをクンクンして、うへえという顔をしている。
やめろ。
「なんかいまいち良く分かんないけど相手の出方待ちってことか?」
「そゆこと。
で、今の内にもう一つの可能性の方を潰していこうかな、と思っとります」
ジーンズを取り返そうと手を伸ばすも、コガネに天井に逃げられ顔を素足で踏まれる。
「ほうひほふのかのうへい?(もう一つの可能性?)」
ほっぺたを生足でぐりぐりされて上手く喋られない。
やべえなんだか変な世界の扉を開いたらどうしよう。
「そう、もう一つの可能性!」
コガネは地面に降り立ち、「びしぃっ」と自分の口で言いながら俺を指差す。
「ノブくんが悪い!」
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