2章 人は見た目じゃ

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「で、まあノブくんを変えていくわけなんじゃけど」 コガネは散々、後頭部を踏んづけたり、「よぅもあんたの救世主にたいして大けな口が叩けたもんじゃねぇ」などと罵ったり、背中に座ったりした後、こう切り出した。 「どう変えていけばええと思う?」 「てんめぇぇええっ! プラン無しで偉そうにしてたのか!」 胸ぐら掴んで腕を振り上げる。殴って良いよな、これは殴って良いはず。 だって女の子じゃないもん、神様だもん! 「まあジョークはそんなもんにしといて」 ……っ!! 顔に血が集まってるのが分かる。 今俺はどんな顔してるんだろうか、怒り? 恥? 戸惑い? 多分全部混じった赤黒い顔しているじゃないだろうか。 「あ゛あああぁぁぁああああああ゛ああああ!」「るっさいっつっとるじゃろうが! ぶちまわすど!」 「すいませんでしたぁ!」 隣の前田さんはうだつの上がらないヤクザだ。 俺の叫び声は明らかに夜中に出す音量じゃなかった。 「今日は、はぁ遅いけえ、明日から変えてこうか」 ダイエットは明日から、というセリフを思い出す。 頼りなかったが頷くしかなかった。 午前4時就寝。 寝付く間際に、人と一緒に寝るのは久しぶりだと気付いた。
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