2章 人は見た目じゃ

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スズメの囀りが聞こえた。 ダルい身体を起こすと目覚まし時計の針は10時を指していた。 明るさからして夜の10時ということは無いだろう。 今日の講義は一限の会計学概論から。 つまり、遅刻だ。 いや……サボリだ。 講義の終了時刻にはどうやっても間に合わない。 二限は取っていない。昼からの三限は代返でいけるだろう。 今日はそれより優先するべきことがある。 メールで友達に(犯罪者扱いでも男友達はいる)代返を頼むと、考えないようにしていた現実に向き合わざるを得なくなった。 「なんで素っ裸で寝てんだぁ!」 しかも、俺とコガネ二人とも。
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