2章 人は見た目じゃ

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「なんだと!? どこが悪いか言ってみろ!」 俺のセンスはそこまで壊滅的じゃない。 コガネは(可哀想に)といった顔で言葉の言葉の暴力を振るい始めた。 「まず色。なんなん、その暗い色の取り合わせ。秋ならまだ許せる。許せるけど今は梅雨前です残念でした。暗いのがかっこいいとか思うとん? 確かに! かっこいい場合もある。ただしイケメンに限る。ノブくんは残念でした」 「……っおぅふ」 コガネのマシンガンを喰らってよろけるが、まだ始まったばかりだ。 「次にサイズ。ブカブカ過ぎじゃろ。B系気取り? は無いじゃろうけぇ、ただ単に大きいだけよね。成長を見越して? あんたぁ一体自分を何歳じゃと思っとん? はぁ成長しゃあせんわいね」 「ぐっ……」 言葉の威力に圧倒される。反論を挟む余裕も無い(というか反論自体が無い) 「ほいで、何なんそのジーパン。敢えてジーンズじゃなくてジーパンって言わせてもらうわ。どんだけ型遅れ履いとん。ノーダメージのケミカルウォッシュをくるぶし裾って! その上、Tシャツパンツにインって! 4、50代のおっさんじゃろ!」 あぁ、ジーパン脱ぎたい! 裸の方がまだ恥ずかしくない気がする。
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