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「光輝はどうなの?……あたしの事どう思っているの?」
告白されてからしばらく俺は悩んでいた。彼女は俺の事を異性として好きだと言ってくれた。
俺も嬉しい。初めて異性から告られて………それも大好きな彼女から。
断る気はさらさらないが、卒業したら別れてしまう。俺は彼女を傷つけたくなかった。
「ごめん。………俺も由美が好きだけど、俺は田舎に…卒業したら引っ越すからさ。由美を傷つけたくないんだ。だからごめんな。」
「………さない。」
え━━?よく聞こえなかった。
「光輝は、私のものだからね。引っ越すなんて許さない。させないから。」
由美に手を引かれ早足に連れて行かれる。気がつけば彼女の家に居た。
━━なんで?縄跳びで手足を拘束されていた。
「クスクス……これから光輝にいいことシテアゲルカラネ♪」
ここで記憶が途切れる━━━。
それから、すぐに両親が俺の卒業式を待たずに海外に行ってしまうんだ。
高校の合格通知が届いて、卒業式も終えて、由美からも逃げながら引っ越す準備をしてきた。
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