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Ⅰ始まりと希望
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中学2年の新学期、僕とアノ子は同じクラスになった。 2年に1度のクラス替え。新鮮な空気が教室にあふれてる 。
そして、その中央で笑うアノ子。 皆の中心で、笑うアノ子。
それを教室の端から眺める僕。 何も出来ない、僕。
「学級委員、っていうのは皆が本当に信頼できる人にやっ てもらいます。面白いから、とか頭がいいから、ではなく、自分が心から 信じられる人を 選びましょう。」
学級委員選挙前、新しい担任は僕たちに語った。でも、誰もそんなの聞いてない。だって学級委員は決まってる。選挙なんてしなくたって、決まってるじゃないか。
学級委員になるのは、アノ子。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗、性格良し。
すべてが揃ったアノ子に、口出しするものはいない。
でも、学級委員になったアノ子の口から出た言葉は、誰に も予想出来なかった。 「条件があります。希君を、副学級委員にしてください。」
アノ子が出した条件、それは、僕を自分の相方にすること だった。
クラス全員の視線が僕に突き刺さる。 アノ子は笑ってた。 そして、一番遠くから、手を伸ばしてた。アノ子はなんだか輝いてて、眩しかった。僕の足は自然とそちらを向いて、「僕、やる。」気づいたら口から言葉が溢れてた。
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これが、僕とアノ子の、始まり。
ココからすべてが動き出したんだ・・・
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