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花嫁
16年前
12月24日
一日中降っていた雪がやみはじめた頃。
1人の女性が幸せそうに腹を撫でていた。
?「もうすぐ会えるわね」
と自らの腹に宿り誕生する命に語りかけた。
艶やかな黒髪を首の後ろで束ねた美しい女性。
彼女は鬼の花嫁。
伴侶となった鬼は人間に近い位に血が薄く彼女の胸元に咲く華も貧相なものだ。
だが、その薄すぎる血が太古の昔に消え去った伝承に残るだけの存在を産み落とそうとしていた。
ふっと、女性は何かの気配を感じて病室のドアを凝視した。
すると、人形のように整った顔の男が姿を表した。
?「お前の腹に宿っているのは女児だな?」
とその整った顔に人のよさそうな笑みを浮かべながら女性に話しかけた。
?「貴方は…?」
女性が男に警戒の眼差しを向ける。
響「堀川 響」
男…堀川 響は女性に近ずくと呟いた。
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