華鬼-紅蓮の楔と桜華の奇跡-

幕間

鬼頭の名を持つ鬼、

木藤 華鬼はとある町にいた。

特に何をしている訳でもなく雨のなかぼんやりと座り込んでいた。
鬼の頭とゆう意味の名をもつ歴代最高の鬼は何度も死にかけ回りの者に華鬼の存在より鬼頭の名に執着をもち誰も彼自体を見ようとはしない。

生きる意味も存在理由も分からなくなり母親の死をきっかけに家出をしてみた。

ただ、ぼんやりと空を見ているだけで他には何もしない。

そんな彼の上に赤い傘が差し出された。

？「風邪を…ひいてしまいますよ？」

華鬼は傘の持ち主に視線を移す。
特に美しいわけでもなく醜いわけでもない極普通の容姿の女が微笑みを浮かべながら傘を差し出していた。

華鬼は女の腹に視線を移すと、

華鬼「身籠っているのか？」

と尋ねた。

女は少し驚いた表情をしたがすぐに幸せそうに微笑むと

？「わかりますか？まだお腹はそんなに目立たないんですけど…」
鬼には女児を見分ける能力がある。

目の前にいる女の腹の子は女児。