華鬼-紅蓮の楔と桜華の奇跡-

花嫁

？「…」

響「その腹の子を俺の花嫁にしたい」

とベッドに腰かけて女性に言った。

女性は

？「…分かったわ」

と答える。

響は女性の腹を撫でると目を細めて微笑んだ。

―――

それから15年後の12月23日。

透けるような白い肌に漆黒の腰まである長い髪。

少女、橘 華牙里はかなりの美少女に成長していた。
華牙里はベランダに出ると月を見上げた。

彼女の両親は幼い頃に交通事故で亡くなった。

今は両親が遺してくれた財産で独り暮らしをしている。

年ごろの少女にしては極端に物が少なく必要な物しかない殺風景な部屋。

壁にかけられた制服には一度しか袖を通していない。
華「…」

少女はしばらく空を眺めていたが瞳を一瞬だけ閉じると部屋に入り床についた。