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高「俺達はアンタに自分を責めてほしいわけじゃねェ。アンタに頼ってほしかっただけなんだよ。」
月明かりしかない中で、高杉は松陽に振り向いた。
高「だから、いい加減に気付けよ。アンタに頼られたい奴はいるんだ。一人で抱え込む必要はねェんだよ。」
松「………。」
高「………じゃあな。そろそろ終いにしよう。」
俯く松陽を見た高杉は立ち上がり、その場を離れようとした。
松「……とっくの前から頼ってますよ。だから、あなたと向き合おうと決意できた。あなたに伝えることができたんです。」
高「だったら構わねェよ。」
一度だけ振り向いた高杉は、子どものような笑顔だった。
松「……で、いつまで寝たふりをする気ですか?」
銀「何だ気付いてたのかよ。」
桂「余計な気遣いでしたか?」
松「いいえ。おかげで、やっと晋助と話せました。」
銀「前にも話してただろ?何、ボケたの?」
松「ボケてませんよ。やっと晋助と向き合って話せたということです。」
銀「ふーん。ま、いいけどな。」
桂「では、俺もそろそろ帰ります。」
松「わかりました。気を付けて、小太郎。」
桂「はい。では、失礼します。」
そして、桂は屋根と屋根を渡り姿を消した。
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